想定読者
- これからWordPressでホームページを自作しようと考えている方
- WordPressのメリットだけでなく、ビジネスで使う上でのリスクや注意点も知りたい方
- 過去にWordPressの立ち上げで挫折した経験があるスモールビジネスオーナー
結論:その「自由」には、大きな「責任」が伴います
「ホームページを作るなら、まずはWordPressから」
Webの世界では、これが標準的な選択肢の一つとして広く認識されています。圧倒的なシェア、無限のカスタマイズ性、そして無料で使えるという魅力。確かに、WordPressがWebサイト制作において非常に強力なツールであることは間違いありません。
しかし、その高い機能性を手に入れるためには、相応の対価が必要になることを理解しておく必要があります。その対価とは、金銭的なコストだけではありません。サイトを安全に、そして安定的に運営し続けるという、利用者自身に課せられる管理責任のことです。
この記事では、WordPressという強力なツールの本当の姿を、その優れた点と注意すべき点の両面から忖度なく解説していきます。そして、あなたのビジネスにとって、WordPressが本当に最適な選択なのかを判断するための材料を提供します。
1. WordPressとは何か?世界No.1シェアを誇るCMSの正体
WordPressとは、専門知識がなくても、ブログのようにホームページの記事やページを管理・更新できる仕組みであるCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)の一種です。その中でも、全世界のWebサイトの40%以上で利用されていると言われる、圧倒的なシェアを誇ります。ソフトウェア自体はオープンソースとして無料で提供されており、誰でも自由に利用できます。
2. WordPressの3つの強力なメリット
なぜWordPressはこれほどまでに多くの人に選ばれるのでしょうか。その理由は、他のツールにはない3つの強力なメリットにあります。
- 無限のデザインとカスタマイズ性
WordPressには、「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートと、「プラグイン」と呼ばれる拡張機能が、世界中の開発者によって数万点以上も提供されています。これらを組み合わせることで、シンプルなサイトから大規模な企業の公式サイト、ネットショップまで、文字通り思い描くほぼ全てのWebサイトを構築できます。 - 圧倒的な情報量と学習のしやすさ
利用者が世界で最も多いため、使い方やトラブルの解決方法に関する情報が、インターネット上に無数に存在します。何か分からないことがあっても、検索すれば大抵の答えが見つかる。この情報の豊富さが、初心者にとって大きな安心材料となります。 - 完全な所有権とデータの自由
WordPressで作成したサイトのデータは、全てあなた自身のものです。特定のプラットフォームの規約変更にビジネスが左右されることはありません。サーバーを自由に引っ越ししたり、デザインを根本から作り変えたりすることも可能です。これは、あなたのWebサイトが永続的なデジタル資産になることを意味します。
3. ビジネス利用で初心者が陥る、3つの致命的なデメリット
ここからが、この記事の核心です。WordPressの強力なメリットは、その裏返しとして、初心者にとっては致命的となり得るデメリットを内包しています。
- サーバー・ドメインの契約と管理が「自己責任」
WordPress本体は無料ですが、それを設置するための土地(サーバー)と住所(ドメイン)は、自分で別途契約し、維持管理する必要があります。これが最初の大きなハードルであり、更新を忘れると、ある日突然サイトが表示されなくなるリスクを常に負います。 - セキュリティリスクとの終わらない戦い
世界で最も使われているということは、最もハッカーに狙われやすいということです。不正ログインやサイトの改ざんを防ぐため、WordPress本体やプラグインのアップデート、データのバックアップといったセキュリティ対策を、全て自分で行わなければなりません。これを怠ることは、ビジネスの信頼を失うことに直結します。 - 自由すぎるがゆえの学習コスト
無限の選択肢は、初心者にとっては迷いの元です。「どのテーマがいいのか」「どのプラグインが必要なのか」と調べているうちに、何日も過ぎていく。小さなデザインの調整やエラーの解決にも、専門知識が必要な場面は頻繁に訪れます。結果として、多大な時間を浪費したり、結局プロに高額な費用を払って助けを求めたりするケースは後を絶ちません。
4. 初心者がWordPressを始めるための全手順
上記のリスクを理解した上で、それでもWordPressに挑戦したいと考える方のために、基本的な手順を解説します。
- レンタルサーバーを契約する
- 独自ドメインを取得する(多くの場合、サーバー契約と同時に行います)
- サーバーにWordPressをインストールする(近年のサーバーには「簡単インストール」機能があります)
- テーマ(デザインテンプレート)を設定する
- プラグイン(拡張機能)を導入する(セキュリティ対策、SEO対策、お問い合わせフォームは必須です)
- コンテンツを作成し、公開する
よくある質問
Q: WordPress.comとWordPress.orgの違いは何ですか?
A: この記事で解説しているのは、サーバーに自分でインストールする「WordPress.org」のことです。「WordPress.com」は、サーバー管理が不要なブログサービスの一種ですが、無料プランでは広告が表示され、機能制限も多いため、ビジネス利用には「.org」が一般的です。
Q: WordPressの維持には、どれくらいの費用がかかりますか?
A: 最低でも、レンタルサーバー代(月額1,000円前後)とドメイン代(年間1,500円前後)が必要です。その他、有料のテーマやプラグインを利用する場合は、別途費用がかかります。
Q: 挫折してしまった場合はどうすればいいですか?
A: 無理に自分で解決しようとせず、専門家(フリーランスなど)にスポットで保守・管理を依頼するのも一つの手です。ただし、継続的なコストが発生することは覚悟しておく必要があります。
最後に宣伝!
ホームページ作成ツールは、それぞれに思想と特徴があります。
この記事でご紹介したWordPressのように、自由度と拡張性を追求できるツールは、本格的なWebサイトを構築したい場合に最高の選択肢です。
しかし、もしあなたが「サーバー管理やセキュリティ対策といった、専門外の作業からは解放されたい」「もっと本業に集中したい」と考えるなら、全く異なるアプローチのツールもあります。
私自身、この「管理の手間」をなくすために、スプレッドシートでホームページが簡単に作れるSpreadSiteというサービスを開発しました。これは、皆さんが普段から使い慣れている表計算ソフトに情報を入力するだけで、自動的にホームページが完成・更新される、という全く新しいツールです。
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