想定読者

  • ロジカルな説明は得意だが、相手の共感を得るのが苦手なビジネスパーソン
  • 部下やチームのモチベーションを高めたいリーダー
  • 顧客の心を掴み、購買に繋げたいマーケターや営業担当者

結論:人は「感情」で動き、「論理」で納得する。心を動かすには、まず相手の感情に寄り添え

「なぜ、こんなに論理的に説明しているのに、分かってくれないんだ…」 「正論を言っているはずなのに、相手の反応が悪い…」

ビジネスの現場で、そんな壁にぶつかった経験はありませんか?その原因は、あなたの論理が間違っているからではありません。人を動かす最初のきっかけは、いつだって「論理」ではなく「感情」だからです。

人間は、理屈で納得する前に、まず心で「共感」する生き物です。どんなに正しいことであっても、相手の感情が「NO」と言っていれば、その言葉は決して届きません。顧客の購買意欲も、部下のモチベーションも、まずは「好き」「面白い」「応援したい」といった感情から生まれます。

この記事では、人を動かす「感情」の重要性を解き明かし、その感情を後押しするための「論理」の使い方を解説します。この二つの歯車が噛み合った時、あなたの言葉は、人を動かす強力な力を持つようになります。

「正論」が、なぜ人を動かせないのか?

正論は、それ自体が「正しさ」という武器を持っているため、相手に「間違いを指摘されている」と感じさせ、無意識の抵抗感を生んでしまうことがあります。

脳は「感情」を先に処理する

脳科学の研究では、人間が意思決定を行う際、論理的な思考を司る大脳新皮質よりも、感情を司る大脳辺縁系が先に活動することが分かっています。つまり、私たちは「好きか、嫌いか」を直感的に判断した後に、その理由を論理で後付けしているに過ぎないのです。

正論は「逃げ場」を奪う

正論を突きつけられると、相手は反論の余地がなくなり、心理的に追い詰められます。その結果、心を閉ざしてしまったり、反発心を抱いてしまったりするのです。人を動かすためには、相手に「自分で決めた」と感じさせる余地を残すことが重要です。

人が「感情」で動く3つの理由

理由1:生存本能としての感情

怒り、恐怖、喜びといった感情は、危険を察知したり、仲間との絆を深めたりと、人類が生き延びるために不可欠な機能でした。この本能は現代にも受け継がれており、私たちの意思決定の根幹を成しています。

理由2:記憶との強い結びつき

感情を伴う出来事は、記憶に強く定着します。楽しかった思い出、悔しかった経験が忘れられないように、感情に訴えかけるメッセージは、相手の記憶に深く刻まれ、長期的な影響を与えます。

理由3:共感がもたらす信頼

人は、自分と同じ感情を共有してくれる相手に、強い信頼と親近感を抱きます。「この人は自分を分かってくれる」という感覚が、心を開き、行動を促すための土台となります。

ビジネスで「感情」に訴えかける具体的な方法

ストーリーテリングで共感を呼ぶ

単なる機能説明ではなく、製品開発の背景にある想いや、顧客が成功した物語を語りましょう。ストーリーは、聞き手を物語の世界に引き込み、感情移入を促し、メッセージを記憶に定着させます。

「What(何を)」ではなく「Why(なぜ)」を伝える

「何を売るか」ではなく、「なぜ、この事業をやるのか」という情熱やビジョンを語りましょう。人は、製品そのものよりも、その背景にある想いや理念に共感し、ファンになります。

ポジティブな未来を想像させる

相手があなたの提案を受け入れた結果、どんな素晴らしい未来が待っているのかを具体的に想像させましょう。「こうすれば、あなたはもっと楽になります」「こんなに楽しい体験ができます」といった言葉で、ポジティブな感情を喚起します。

「感情」で動かし、「論理」で納得させる技術

感情だけで人は動きません。感情で動いた心を、行動へと確実に繋げるためには、論理的な裏付けが不可欠です。

感情が「入口」、論理が「出口」

まず、ストーリーやビジョンで相手の感情に火をつけ、興味を引きます。そして、相手が「もっと詳しく知りたい」と思ったタイミングで、データや事実といった論理的な情報を提供し、その選択が正しいことを証明してあげましょう。

相手の判断を「正当化」させてあげる

人は、自分の感情的な判断が「正しかった」と思いたい生き物です。あなたの提案がいかに合理的で、コストパフォーマンスに優れ、リスクが低いかを論理的に説明することで、相手は「良い買い物をした」「正しい判断をした」と安心して、行動に移すことができます。

よくある質問

Q: 感情的になりすぎるのは、ビジネスの場で不適切ではありませんか?

A: ここで言う「感情に訴える」とは、感情的になることではありません。相手の感情を理解し、それに寄り添い、共感を呼ぶようなコミュニケーションを心がける、ということです。冷静さを保ちつつ、相手の心に響く言葉を選ぶことが重要です。

Q: 論理的に考えるのが苦手です。どうすれば良いですか?

A: 無理に複雑なロジックを組み立てる必要はありません。大切なのは、相手が「なるほど」と納得できるような、シンプルで分かりやすい根拠を示すことです。「なぜなら〜だからです」と、理由を明確に伝えることを意識するだけでも、説得力は大きく変わります。

Q: 相手の感情が読めません。

A: 相手の表情や声のトーン、言葉の選び方などを注意深く観察することから始めましょう。そして、「今、こう感じていますか?」と、相手の感情を言葉にして確認することも有効です。大切なのは、相手に関心を持ち、理解しようと努める姿勢です。

Q: BtoBのビジネスでも、感情は重要ですか?

A: はい、非常に重要です。BtoBの取引においても、最終的な意思決定を下すのは「人」です。担当者の「この会社となら、良い仕事ができそうだ」という信頼感や、「この担当者は信頼できる」という安心感が、契約を大きく左右します。

筆者について

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