想定読者

  • 日中の眠気やだるさが、睡眠の質のせいなのか、客観的に判断したいと思っているビジネスパーソン
  • 睡眠改善に取り組みたいが、何から手をつけていいか分からない方
  • 専門的な機器やアプリを使わずに、手軽に自分の睡眠を管理したいと考えている経営者

結論:睡眠改善の第一歩は、「感覚」ではなく「記録」で、自分の睡眠を客観視することである

結論から申し上げます。あなたが「なんとなく、よく眠れていない気がする」と感じているのであれば、そのなんとなくを、具体的な事実に変える必要があります。

なぜなら、問題点を正確に把握できていなければ、的確な改善策を打つことはできないからです。

睡眠日誌は、高価なデバイスや専門的な知識がなくても、あなたの睡眠の質を客観的に見える化し、改善のヒントを与えてくれる、最もシンプルで強力なツールです。この記事では、三日坊主にならずに続けられる、簡単な睡眠日誌のつけ方を、具体的なステップで解説していきます。

第1章: なぜ、私たちは自分の睡眠を“過大評価”してしまうのか?

多くの人が、「自分は、だいたい7時間くらいは寝ている」と思っています。しかし、実際に記録してみると、6時間にも満たないケースは珍しくありません。なぜ、このような認識のズレが生まれるのでしょうか。

「ベッドにいる時間」と「実際に眠っている時間」の違い

あなたがベッドに入ってから、実際に寝付くまでの時間(入眠潜時)や、夜中に無意識に目が覚めている時間(中途覚醒)は、自分では正確に把握できません。

ベッドに8時間いたとしても、実際の睡眠時間は6時間半、ということもあり得ます。この認識と現実のギャップを埋めることが、睡眠改善のスタートラインです。

記憶の“曖昧さ”

人間の記憶は、非常に曖昧です。昨日の夜、何時に寝たか、正確に覚えていますか?今朝、どんな気分で目覚めたか、具体的に説明できますか?

睡眠日誌は、この曖昧な記憶を、客観的な記録に変えてくれます。記録を続けることで、これまで気づかなかった、あなたの睡眠と日中のパフォーマンスの相関関係が、驚くほどクリアに見えてくるのです。

第2章: 今日から始める!「睡眠日誌」のシンプルなつけ方

難しく考える必要はありません。必要なのは、ノートとペン、あるいはスマホのメモアプリだけです。ここでは、最低限記録すべき5つの基本項目を紹介します。

ステップ1:夜、寝る前に記録する2項目

ベッドに入る直前に、以下の2つを記録する習慣をつけましょう。

  1. 就寝時刻: 実際にベッドに入った時刻を記録します。(例:23:45)
  2. 就寝前の状態: その日の気分や、寝る前に行ったことなどを、簡単にメモします。(例:少しイライラしていた、寝る直前までPCで作業、など)

この就寝前の状態の記録が、寝つきの良し悪しの原因を探る上で、非常に重要なヒントになります。

ステップ2:朝、起きた時に記録する3項目

朝、目が覚めたら、ベッドから出る前に、以下の3つを記録します。

  1. 起床時刻: 目覚ましが鳴った時刻ではなく、実際に目が覚めて、意識がはっきりした時刻を記録します。(例:6:15)
  2. 睡眠の質(自己評価): 「よく眠れた」「何度も目が覚めた」など、その日の睡眠の満足度を、自分なりの言葉や5段階評価で記録します。
  3. 日中の眠気(予測): この後、日中に眠気が出そうか、集中できそうか、その日のコンディションを予測して記録します。

【応用編】さらに追加すると良い項目

基本の5項目に慣れてきたら、以下の項目を追加すると、より詳細な分析が可能になります。

  • カフェインを摂取した最後の時刻
  • アルコールを飲んだ量と時刻
  • 運動したかどうか、その時間帯
  • 夜中に目が覚めた回数(覚えている範囲で)

第3章: 記録から“改善のヒント”を見つけ出す方法

1週間ほど記録が溜まったら、それを見返してみましょう。そこには、あなたの睡眠の課題を解決するための、宝の地図が隠されています。

パターン1:「寝つきが悪い日」の共通点を探す

「睡眠の質」の評価が低かった日と、その前日の就寝前の状態の記録を照らし合わせてみてください。

  • 「寝る直前までスマホで動画を見ていた日は、決まって寝つきが悪いな…」
  • 「夜遅くに食事をした日は、眠りが浅い気がする」
  • 「仕事でストレスが多かった日は、夜中に目が覚めることが多い」

このように、あなたの寝つきを悪くしている悪習慣が、客観的なパターンとして見えてきます。

パターン2:「最高の目覚めの日」の共通点を探す

逆に、「よく眠れた」と評価した日と、その前日の行動を照らし合わせてみましょう。

  • 「そういえば、湯船にゆっくり浸かった日は、ぐっすり眠れているな」
  • 「夕方に軽い運動をした日は、目覚めがスッキリしている」
  • 「寝る前に読書をした日は、良い夢が見られる気がする」

これが、あなたにとっての最高の睡眠を導く、黄金の習慣です。あとは、この良い習慣を、いかにして日常に組み込んでいくかを考えるだけです。

第4章:「睡眠日誌」を三日坊主で終わらせないためのコツ

記録が重要だと分かっていても、続けるのが難しいのが人間です。ここでは、挫折しないための、3つの簡単なコツを紹介します。

コツ1:完璧を目指さない

「記録を忘れてしまった日があっても、自分を責めない」。これが、継続するための最大のコツです。一日くらい忘れても、また次の日から、何もなかったかのように再開すれば良いのです。

まずは、1週間続けることだけを目標に、気軽に始めてみましょう。

コツ2:記録する場所を「寝室」に固定する

ノートとペンを、必ずベッドサイドのテーブルに置いておきましょう。あるいは、スマホのメモアプリを使うなら、ホーム画面の一番押しやすい場所に配置します。

「記録しよう」と思い出すのではなく、目に入ったら、条件反射で記録する。そんな環境を作ってしまうのが、習慣化への近道です。

コツ3:週に一度、自分に「フィードバック」する時間を作る

記録しっぱなしでは、モチベーションは続きません。毎週日曜の夜など、決まった時間に、その週の記録を見返し、自分なりの発見来週の小さな目標をメモする時間を作りましょう。

「今週は、寝る前スマホを3日間やめられた。来週は、4日を目指してみよう」
このように、自分の小さな進歩を確認し、ゲームのように楽しむことが、継続の秘訣です。

よくある質問

Q: スマートウォッチや睡眠アプリで記録するのと、何が違いますか?

A: 睡眠アプリは、睡眠の深さやサイクルといった客観的なデータを自動で記録してくれる、非常に便利なツールです。一方で、睡眠日誌は、「なぜ、その日の睡眠が良かったのか/悪かったのか」という、原因を探るための主観的な情報を記録するのに優れています。両方を併用することで、より精度の高い自己分析が可能になります。

Q: どれくらいの期間、記録を続ければ効果が出ますか?

A: まずは2週間続けてみることをお勧めします。2週間記録すれば、平日と休日の睡眠パターンの違いや、特定の行動と睡眠の質の相関関係が、かなり明確に見えてくるはずです。

Q: 睡眠時間が、毎日バラバラでも問題ありませんか?

A: 睡眠日誌をつける目的の一つは、そのバラつきを発見することです。日によって就寝時刻が2〜3時間も違うようであれば、それが体内時計を狂わせている大きな原因かもしれません。日誌を通じて、まずは自分の睡眠リズムの乱れを自覚することが、改善の第一歩です。

Q: 日誌に、あまりネガティブなことばかり書きたくありません。

A: その気持ちは、とてもよく分かります。その場合は、「悪かった点」だけでなく、「良かった点」や「明日、試してみたいこと」をセットで書くようにすると、前向きな気持ちで続けることができます。睡眠日誌は、反省文ではなく、未来の自分を元気にするためのツールです。

Q: 記録した結果、自分では改善が難しい問題が見つかった場合はどうすればいいですか?

A: 例えば、深刻な不眠や、睡眠時無呼吸症候群の疑いなど、セルフケアだけでは解決できない問題が見つかることもあります。睡眠日誌は、その客観的な記録を持って、睡眠専門のクリニックなど、専門医に相談する際の、非常に貴重な資料となります。

筆者について

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