想定読者
- 競合との価格競争から抜け出したい経営者
- 新規事業や新サービスの方向性に悩んでいる方
- 限られた人員と予算で成果を出したい中小企業の担当者
結論
ブルー・オーシャン戦略は、大企業だけの話ではありません。 むしろ中小企業にこそ相性のいい考え方です。
理由は単純です。 人も予算も限られている会社が、同じ土俵で正面から競争を続けるのは負担が大きいからです。価格、機能、広告費でぶつかり続けると、消耗しやすくなります。
そこで必要になるのが、競争相手に勝つ発想ではなく、競争そのものを避ける発想 です。 既存市場の中で少しだけ良くするのではなく、相手がいない切り口を作る。この考え方が、ブルー・オーシャン戦略の核です!
ブルー・オーシャン戦略とは何か
ブルー・オーシャン戦略とは、競争が激しい既存市場で勝ち負けを争うのではなく、新しい価値を打ち出して別の市場を生み出す考え方です。
よくある誤解は、誰も思いつかなかった画期的な商品を作ることだと思われがちな点です。 実際には、そこまで大げさな話ではありません。
大切なのは、次の2つです。
- お客さんが本当に求めている価値を見つける
- 業界で当たり前になっている要素を減らす、または外す
つまり、足し算だけではありません。 増やすだけでなく、減らす、やめる、組み替える。この発想が入ると、競争の形が変わります。
価格競争から抜け出せない会社の共通点
競争が激しい市場にいる会社には、似た傾向があります。 どれも珍しい話ではありません。
たとえば、次のような状態です。
- 競合と同じ機能を増やしている
- 他社より少し安くすることで受注を取っている
- 業界の慣習をそのまま続けている
- お客さんではなく競合の動きに反応している
- 自社の違いを説明しきれない
この状態では、差が出にくくなります。 少しの違いでは埋もれやすく、結局は価格で比べられます。
中小企業が苦しくなるのは、実力が足りないからではありません。 競争の前提が同じままだから です。
新しい市場を生む発想法
ブルー・オーシャン戦略は、思いつきで進めるものではありません。 発想の型を持っておくと、検討が進みます。
業界の当たり前を書き出す
最初にやるべきなのは、業界で当然とされている要素を並べることです。 たとえば、価格、納期、品ぞろえ、接客、店舗立地、機能数、カスタマイズ範囲などです。
この作業をすると、各社が似た項目で競っていることが分かります。 つまり、どこで消耗戦が起きているかがはっきりします。
ここで大切なのは、競合の真似を続けることではありません。 その項目自体が本当に必要か を問い直すことです。
減らす・外す・増やす・加える
発想を広げるときは、次の4つで考えると進めやすくなります。
| 観点 | 考える内容 |
|---|---|
| 減らす | 業界標準より少なくしても困らないものは何か |
| 外す | そもそも不要なものは何か |
| 増やす | もっと手厚くすると価値になるものは何か |
| 加える | 今まで業界になかった価値は何か |
たとえば、機能を増やすことが当たり前の業界でも、実際には使われていない機能が多いことがあります。 その場合、機能数を競うより、導入の早さや運用の軽さを前面に出したほうが刺さることがあります。
新しい市場は、豪華さから生まれるとは限りません。 余計なものを外した結果、生まれることもあります。
非顧客に目を向ける
既存顧客だけを相手にしていると、発想が狭くなります。 そこで注目したいのが、今は買っていない人たちです。
たとえば、次のような人たちです。
- 興味はあるが高くて買わない人
- 必要性はあるが手間が多くて避けている人
- 今の業界の雰囲気が合わず離れている人
- 他の方法で代用している人
この人たちが離れている理由には、新しい市場のヒントがあります。 既存顧客の満足度向上だけでは、競争の枠から抜け出せないことがあります。
中小企業が実務で進める手順
ブルー・オーシャン戦略は、考え方だけで終わると意味がありません。 実務に落とすには、順番が大切です。
競争要因を並べる
まず、自社の業界で比べられている項目を並べます。
- 価格
- 納期
- 品質
- 品ぞろえ
- サポート
- 店舗数
- 機能数
- カスタマイズ性
この一覧があると、どこで競争が起きているかがはっきりします。 そのうえで、自社が本当に勝負したい項目を決めます。
価値の置き方を変える
次に、どの項目を減らし、どの項目を増やすかを決めます。 ここで重要なのは、全部を良くしようとしないことです。
全部を高水準にしようとすると、結局コストが膨らみます。 中小企業では特に、何を捨てるかが重要です。
たとえば、
- 対応範囲は絞るが、専門性は高める
- 機能は絞るが、導入を早くする
- 店舗数は増やさないが、地域密着を深める
このように、価値の置き方を変えると、比較の軸そのものが変わります。
小さく試して反応を確かめる
新しい切り口が出ても、最初から大きく広げる必要はありません。 まずは小さく試すことが大切です。
たとえば、
- 限定プランとして出す
- 特定の地域だけで始める
- 既存顧客の一部に案内する
- LPや営業資料だけ先に作る
この段階で確かめたいのは、売れるかどうかだけではありません。 どの言葉に反応があるか、どの価値が伝わるか、どこで迷われるかです。
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ブルー・オーシャン戦略で失敗しないための注意点
新しい市場を狙うとき、よくある失敗もあります。 勢いだけで進めると、独自性があっても売れません。
独自性だけで終わらせない
他社と違うこと自体には意味があります。 ただ、違うだけでは足りません。
必要なのは、お客さんにとって価値がある違いです。 社内では面白い案でも、相手にとって不要なら広がりません。
独自性を考えるときは、次の2点を外さないことが大切です。
- その違いにお金を払う理由があるか
- その違いで手間や不満が減るか
競争がない市場を幻想にしない
競争相手が少ない分野でも、需要まで少なければ意味がありません。 誰もやっていないことには、理由がある場合もあります。
そのため、競争が少ないことだけで判断せず、
- その課題は本当に存在するか
- お金を払う人はいるか
- 継続して需要があるか
この3点は必ず確かめたいところです。
よくある質問
Q: ブルー・オーシャン戦略は中小企業でも使えますか?
A: はい。むしろ中小企業に向いています。人員や予算が限られている会社ほど、正面からの価格競争を避ける意味が大きくなります。
Q: まったく新しい商品を作らないといけませんか?
A: いいえ。新発明である必要はありません。既存サービスの価値の置き方を変える、不要な要素を外す、別の顧客層に向け直すだけでも十分です。
Q: 競争相手がいない市場はどう探せばいいですか?
A: 既存顧客だけでなく、今は買っていない人に注目するとヒントが出ます。高い、面倒、分かりにくい、雰囲気が合わない。こうした離脱理由の中に、新しい切り口があります。
Q: 独自性があれば成功しますか?
A: それだけでは足りません。違いがあっても、お客さんにとって価値がなければ広がりません。独自性と需要の両方が必要です。
Q: まず何から始めればいいですか?
A: まずは、自社の業界で比べられている項目を書き出してください。そのうえで、減らすもの、外すもの、増やすもの、加えるものを分けると、方向性が見えてきます。
筆者について
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