想定読者
- 事業を始めたばかりで、広告にかける予算がほとんどないスモールビジネスオーナー
- Web広告やSEOといった難しい集客手法の前に、まず何から手をつければいいか分からない方
- 自分の足と時間を使い、着実に最初の一人、二人のお客様を見つけたいと考えている起業家
結論:最初のお客様は、「広告」で買うのではなく、「信頼」で出会うものである
結論から申し上げます。創業期のビジネスにおいて、いきなり高額な広告費をかけて、不特定多数の人にアプローチするのは、最も非効率で、危険な賭けです。
あなたの最初のお客様は、派手な広告の向こう側にいるのではありません。その人は、あなたの身近な人間関係の中や、あなたの誠実な情報発信の先に、必ず存在します。
この記事では、お金ではなく、あなたの時間と情熱を投資することで、記念すべき最初のお客様と出会うための、具体的で、誰でも今日から始められる7つの方法を解説していきます。
第1章: なぜ、最初から“広告”に頼ってはいけないのか?
起業すると、様々な広告代理店から営業の電話がかかってきます。しかし、その甘い言葉に乗る前に、なぜ創業期に広告が危険なのか、その理由を知っておく必要があります。
誰に響くか分からないままでは、お金をドブに捨てるのと同じ
広告を出すためには、誰に(ターゲット)、何を(メッセージ)、どのように(媒体)伝えるかを、明確に決める必要があります。
しかし、まだ一人もお客様がいないあなたは、本当にあなたの商品を求めている人が誰なのか、その確信が持てていないはずです。この状態で広告を打つのは、霧の中で闇雲に鉄砲を撃つのと同じ。ほとんどの弾は当たらず、貴重な資金だけが消えていきます。
「信頼」がない状態では、広告は効果を発揮しない
まだ実績も、お客様の声も、何もない。そんな生まれたばかりのビジネスが、いくら立派な広告を出したところで、お客様は「本当にこの会社、大丈夫?」と、警戒心を抱きます。
最初のお客様を獲得するために必要なのは、広告による認知拡大ではなく、あなたという人間に対する個人的な信頼なのです。
第2章: 広告費ゼロ!最初のお客様を獲得する7つの方法
では、具体的にどうすればいいのでしょうか。いますぐ始められる、7つのアクションプランを紹介します。
方法1:友人・知人への「お願い営業」(リファラル)
これが、最も確実で、最も早く成果が出る方法です。あなたの友人、家族、元同僚といった、すでにあなたのことを信頼してくれている人たちに、事業を始めたことを丁寧に報告し、「お客様を紹介してほしい」と、正直にお願いしてみましょう。
- ポイント:
- ただ「誰か紹介して」ではなく、「〇〇で困っている人が周りにいたら、私のことを思い出してくれると嬉しい」と、ターゲットを具体的に伝えます。
- 紹介してくれた人には、心からの感謝と共に、ささやかなお礼(紹介料や割引など)をすることも忘れずに。
方法2:SNSでの「お役立ち情報」発信(コンテンツマーケティング)
自分の商品を「買ってください!」と宣伝するのではなく、あなたの専門知識を活かして、見込み客が「知りたい」「役に立つ」と感じる情報を、無料で発信し続けましょう。
- 例(ネイリストなら):
- NG: 「〇〇ジェルネイル、キャンペーン中!」
- OK: 「プロが教える、自宅でできる簡単なネイルケアの方法」
このGIVE(与える)の精神が、「この人は、信頼できる専門家だ」という認識を生み、未来の顧客を引き寄せます。
方法3:Googleビジネスプロフィールへの登録(MEO対策)
店舗やオフィスを持つビジネスであれば、これは絶対にやるべきです。
Googleビジネスプロフィールに無料で登録するだけで、お客様がGoogleマップで「近くの 〇〇」と検索した時に、あなたのビジネスが表示されるようになります。
写真や営業時間、サービス内容を充実させ、お客様に口コミを書いてもらうようお願いすることで、広告費ゼロで、地域で最も有力な見込み客にアプローチできます。
方法4:地域のイベントや交流会への「顔出し」
あなたのビジネスが地域密着型であれば、地元の商工会議所が主催するイベントや、異業種交流会に、積極的に顔を出すことも有効です。
ここでの目的は、名刺をたくさん配ることではありません。2〜3人でいいので、深い話ができる関係を築くことです。「〇〇で、△△というお店をやっている者です」と、あなたの顔と事業を覚えてもらう。その地道な活動が、思わぬ紹介に繋がります。
方法5:プレスリリースで「メディア掲載」を狙う
あなたのビジネスに、少しでも社会性や新規性があるのであれば、地元の新聞社やWebメディアに、プレスリリースを送ってみましょう。
もし、記事として取り上げられれば、広告費を一切かけずに、非常に高い信頼性と共に、多くの人にあなたのビジネスを知ってもらうことができます。「〇〇新聞に掲載されました」という実績は、あなたのホームページの信頼性を高める上でも、強力な武器となります。
方法6:同業者を“味方”につける
ライバルだと思っている同業者も、見方を変えれば、強力なパートナーになり得ます。
自分と少しだけ専門領域が違う同業者や、キャパシティオーバーで仕事を受けきれない人気店と、良好な関係を築いておきましょう。
「この案件は、私の専門外なので、〇〇さんにお願いできませんか?」
「今、予約がいっぱいでして、もしよろしければ、△△さんという素晴らしい方が…」
といった、同業者からの紹介は、非常に確度の高い見込み客に繋がります。
方法7:モニター・無料体験で「実績」を作る
まだ一つも実績がない状態では、お客様は不安で、なかなかお金を払ってくれません。
それならば、最初はモニター価格や無料体験で、サービスを提供し、その代わりとして「お客様の声(感想)」と「事例としての公開許可」をもらうのです。
この最初の実績こそが、次のお客様を呼ぶための、最も説得力のある広告となります。
第3章: 最初のお客様が、あなたの“先生”になる
苦労して獲得した、記念すべき最初のお客様。そのお客様との関わり方が、あなたのビジネスの未来を決めます。
120%の力で、期待を超える
最初のお客様には、採算度外視で、あなたの持てる力の120%を注ぎ込み、期待を遥かに超える感動を提供しましょう。
この最初の成功体験が、あなた自身の自信になるだけでなく、そのお客様を、あなたのビジネスの熱狂的なファンであり、最高の営業マンに変えてくれます。
すべての“声”を、宝物として受け取る
お客様からの、感謝の言葉も、クレームも、何気ない雑談も。そのすべてが、あなたのサービスをより良くするための、最高の教科書です。
「なぜ、うちを選んでくれたのですか?」
「実際に使ってみて、どこか分かりにくい点はありましたか?」
真摯に耳を傾け、サービスに反映させていく。このサイクルを回し続けられるかどうかが、ビジネスが成長できるかどうかの分かれ道です。
よくある質問
Q: 人脈が本当にゼロで、紹介を頼める友人もいません。
A: その場合は、まずオンラインでの「お役立ち情報発信」から始めるのが良いでしょう。X(旧Twitter)やInstagram、noteなどで、あなたの専門性を活かした発信を続けることで、顔も知らない誰かが、あなたの最初のファンになってくれる可能性があります。
Q: どの集客方法から、手をつけるべきですか?
A: あなたのビジネスモデルによります。美容室や飲食店といった地域密着型のビジネスであれば、まずGoogleビジネスプロフィールの登録と充実が最優先です。コンサルタントやWebデザイナーといったオンライン完結型のビジネスであれば、SNSでの情報発信や、既存の人脈へのアプローチから始めるのが効果的です。
Q: 無料モニターをお願いしたら、断られてしまいました。
A: 無料であっても、相手は自分の貴重な時間を差し出すことになります。「無料だから」と安易に考えず、なぜあなたに協力すべきなのか、相手にとってのメリット(例:通常は有料の〇〇を体験できる、など)を、きちんと説明することが重要です。
Q: 集客活動に、1日どのくらいの時間をかければいいですか?
A: 創業期は、事業時間の半分以上を集客活動に充てるくらいの覚悟が必要です。サービスや商品を作る時間と同じくらい、それを届けるための活動は重要です。お客様がいないことには、ビジネスは始まらないからです。
Q: 7つの方法を全部やらないと、ダメですか?
A: いいえ、その必要はありません。まずは、この中から、あなたが「これなら、自分にもできそうだ」と、最もハードルが低いと感じるものを2〜3個選び、そこに集中して取り組んでみてください。一つの方法をとことん突き詰めることが、結果への一番の近道です。
筆者について
記事を読んでくださりありがとうございました!
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