想定読者
- 「起業したい」という思いはあるが、「自分に何ができるか分からない」「良いアイデアが思いつかない」と悩んでいる方
- 自分の好きなことや、得意なことをビジネスに繋げたいが、その具体的な方法が分からない会社員や主婦の方
- 既存の事業に行き詰まりを感じ、新しいサービスのヒントを探しているスモールビジネスオーナー
結論:革新的なアイデアは“ゼロ”からは生まれない。「既存の知識」と「既存の知識」の“新しい組み合わせ”から生まれる
結論から申し上げます。多くの人が、ビジネスアイデアとは、スティーブ・ジョブズのような天才が、ある日突然ひらめくゼロからの発明だと勘違いしています。しかし、それは大きな間違いです。
歴史上のほとんどのイノベーションは、すでにあるものと、すでにあるものの新しい掛け算によって生まれています。
そして、その掛け算の最高の材料となるのが、あなたの中に眠っている好きという情熱と、得意というスキルです。この記事では、あなただけのユニークな事業アイデアを生み出すための、具体的な5つの発想ワークを解説していきます。
第1章: なぜ、あなたは「アイデアがない」と悩むのか?
ワークを始める前に、なぜアイデア探しが難しいのか、その原因を知っておきましょう。
「すごいアイデア」を、探しすぎている
多くの人が、「世界を変えるような、誰も思いつかないすごいアイデア」を探そうとして、身動きが取れなくなっています。
しかし、成功しているスモールビジネスのほとんどは、決して奇抜なものではありません。むしろ、人々が日常で感じている、小さな「不便」「不満」「不快」を、少しだけ新しい方法で解決しているだけなのです。まずは、完璧なアイデアを求めるのをやめましょう。
「自分の外」にばかり、答えを求めている
「今、流行っているビジネスは何か?」「儲かる市場はどこか?」
もちろん、市場調査は重要です。しかし、あなたの情熱(好き)やスキル(得意)と結びついていないビジネスは、長続きしません。
最高のビジネスアイデアの源泉は、あなたの外側ではなく、あなたの内側、つまり、あなた自身の経験と興味の中にこそ、眠っているのです。
第2章: 【実践ワーク】あなたの“好き”と“得意”を棚卸しする
さあ、ここからが実践です。紙とペンを用意してください。
ワーク1:「好き・夢中になれること」を100個書き出す
ここでは、お金になるかどうかは、一切考えないでください。あなたが、時間を忘れて夢中になれること、お金を払ってでもやりたいことを、とにかく思いつくままに100個書き出します。
- 例: コーヒーを淹れる、キャンプに行く、古い家具を修理する、人の話を聞く、Excelで複雑な関数を組む、猫と遊ぶ、歴史小説を読む…
ワーク2:「得意・人よりうまくできること」を50個書き出す
次に、あなたが「これは、他の人より少しうまくできるかな」と感じることを、どんなに些細なことでもいいので、50個書き出します。
- 例: 料理の手際が良い、分かりやすい説明ができる、PCの初期設定が早い、人見知りしない、文章の誤字脱字を見つけるのが得意、整理整頓ができる…
この時、人から「〇〇、うまいよね」と褒められた経験を思い出すのがコツです。
第3章:「好き」×「得意」で、事業アイデアを発想する5つの切り口
棚卸しした2つのリストを眺めながら、以下の5つの発想法で、アイデアを強制的に生み出していきましょう。
発想法1:シンプル掛け算
最も基本的な発想法です。「好き」のリストから一つ、「得意」のリストから一つを選び、単純に掛け合わせてみます。
- 好き(コーヒー) × 得意(人の話を聞く)
→ アイデア: 悩みをじっくり聞くことに特化した、カウンセリングカフェの経営 - 好き(キャンプ) × 得意(分かりやすい説明)
→ アイデア: キャンプ初心者のための、道具の選び方から設営までを教える個人向けレッスン
発想法2:ターゲット(WHO)をずらす
あなたの「好き×得意」のスキルを、普通とは違う、特定の顧客層に向けて提供できないか、考えてみます。
- 好き(ファッション) × 得意(整理整頓)
→ ターゲットずらし(高齢者向け)
→ アイデア: 高齢者施設に出張し、少ない服でおしゃれを楽しむための、クローゼット整理とコーディネート提案サービス
発想法3:悩みを“逆”から考える
あなたの「好き」なことについて、初心者が「何に困っているか」「何が面倒くさいか」を考え、それをあなたの「得意」で解決します。
- 好き(ハンドメイドアクセサリー作り)
→ 初心者の悩み: 道具や材料を揃えるのが大変、デザインが思いつかない…
→ あなたの得意(整理整頓・計画性)で解決
→ アイデア: 必要な材料とデザインのレシピが全て揃った、月替りのハンドメイドキットのサブスクリプション販売
発想法4:「教える」に転換する
あなたの「好き×得意」を、そのままサービスとして提供するのではなく、そのやり方を教えるビジネスに転換できないか、考えてみます。
- 好き(家計簿をつけること) × 得意(Excel関数)
→ 教えるに転換
→ アイデア: 主婦向けの「挫折しない!Excelを使った、オリジナル家計簿作成講座」をオンラインで開催
発想法5:「代行する」に転換する
多くの人が「好きだけど、面倒くさい」「苦手だけど、やらなければならない」と感じていることを、あなたの「得意」で代行します。
- 好き(観葉植物を育てること)
→ みんなの面倒くさい: 旅行中の水やりが心配、植え替えが大変…
→ あなたの得意(丁寧な作業)で代行
→ アイデア: 忙しいオフィスワーカー向けの、観葉植物の定期メンテナンス・お預かりサービス
第4章: アイデアを“ビジネスの種”に育てるために
たくさんのアイデアの芽が出たら、それを枯らさずに育てるための、最後のステップです。
まずは「小さく」試してみる
いきなり完璧なサービスを目指す必要はありません。まずは、友人や知人にモニターになってもらい、無料で、あるいは格安でサービスを提供してみましょう。
そして、「いくらなら、お金を払いたいですか?」「どんな点が、もっとこうだったら良いと思いますか?」と、正直なフィードバックをもらうのです。この小さな実験と改善のサイクルが、あなたのアイデアを、独りよがりではない、本当に市場に求められるビジネスへと育ててくれます。
よくある質問
Q: 「好き」や「得意」が、どうしても思いつきません。
A: その場合は、逆に「これまで、何に時間とお金を使ってきたか?」を振り返ってみるのがお勧めです。あなたのクレジットカードの明細や、本棚に並んでいる本のタイトルは、あなたの無意識の「好き」を雄弁に物語っています。また、「人からよく頼られること」は、あなたの「得意」のサインです。
Q: 出てきたアイデアが、すでに他の誰かがやっていることでした。
A: 全く問題ありません。むしろ、先行者がいるということは、その市場に需要があるという証拠です。あなたがすべきは、先行者を徹底的にリサーチし、そこに自分の「得意」や「価値観」という独自のスパイスを加えて、少しだけ違う切り口のサービスを提供することです。
Q: アイデアはたくさん出るのですが、どれが一番儲かるか分からず、選べません。
A: 最初から「儲かるかどうか」で判断するのは、時期尚早です。まずは、あなたが最も情熱を注げるもの、そして、最も小さなコストで試せるものから、始めてみましょう。ビジネスは、始めてみなければ、本当に儲かるかどうかは誰にも分かりません。
Q: 自分の「好き」や「得意」が、ビジネスになるほどレベルが高くありません。
A: あなたが、その分野の世界一の専門家である必要は、全くありません。重要なのは、昨日の自分よりも、少しだけ先に進んでいることです。その“半歩先”の知識や経験が、今まさにゼロから始めようとしている初心者にとっては、非常に価値のある道しるべになるのです。
Q: アイデアを、誰かに盗まれてしまうのが怖いです。
A: アイデアそのものには、ほとんど価値はありません。本当の価値は、そのアイデアを、誰よりも早く、誰よりも情熱を持って実行し、改善し続けるという、行動の中に宿ります。最高のアイデア防衛策は、誰よりも早く行動し、圧倒的な当事者になることです。
筆者について
記事を読んでくださりありがとうございました!
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