本文へ移動

新しい仕事でも成果目標だけでよいのか?

未経験の業務を任せる際は、売上や契約数に加えて、進め方を学ぶ目標も必要です。この記事では、学習目標と成果目標を比較した実験、新規開拓で調べる疑問の決め方、活動件数と得られた知識を区別して評価する方法を解説します。

公開日

進め方を学ぶ仕事には学習目標を置く

新しい営業方法や未経験の業務を任せるときは、何を学んで進め方を決めるかも目標に含めます。必要な知識を身に付けることや、有効な方法を見つけることを目指す目標を、学習目標と言います。売上や契約数などの到達点を示す成果目標と役割が異なります。

管理職が検討すべきなのは、担当者が結果を出す方法を知っているかです。SeijtsとLathamは、知識の獲得が必要な段階では、学習目標によって方法の発見へ注意を促す考え方を示しています。必要な努力量と、学ぶべき内容の両方を検討するのが要点です。(学習目標と成果目標の使い方)

この記事では、新しい営業先の開拓を例に、結果の数字を残しながら、進め方を学ぶ目標を設計します。

成果目標と学習目標では何を達成するのか

成果目標は結果の水準を示し、学習目標はその結果を生む方法について得る知識を示します。たとえば、新規契約5件という成果目標に対し、契約を妨げている理由を調べて提案方法を改善する目標が考えられます。

同じ営業の仕事でも、既存顧客への更新案内と、新しい業種への初回提案では、必要な知識が異なります。後者では、購入を決める人、予算を決める時期、既存のサービスへの不満などを調べる仕事が生じます。

活動件数と学んだ内容 も区別しましょう。資料を10本読む、面談を5件行うという件数は作業量を表します。その作業で何が判明し、提案のどこを変更したかが学習の成果です。

複雑な課題では学習目標が上回った実験がある

SeijtsとLathamの2001年の実験では、96人が時間割を作る課題に取り組みました。課題の知識を得る必要があり、具体的で難しい学習目標は、最善を尽くすという指示を上回りました。具体的で難しい成果目標は、その指示を下回りました。(2001年の時間割課題)

Seijtsらの2004年の実験では、経営学部の最終学年の学生170人を3群へ無作為に割り当て、携帯電話事業のシミュレーションを行いました。市場占有率21%以上を目指す群、占有率を増やす戦略を6個以上発見・実行する群、最善を尽くす群を比較しています。学習目標の群は成績が高く、残る2群の差は統計的に有意ではありませんでした。(2004年の事業シミュレーション)

後者の占有率はシミュレーション内の成績で、実企業の売上増加率とは異なります。これらの実験を、どの仕事でも成果目標が悪影響を及ぼすという主張へ広げることは避けます。

新規開拓の目標を学ぶ内容へ書き換える

学習目標では、調べる疑問と、得られた知識を何の判断に使うかを明記します。以下は記事の実務提案です。件数や期間は例であり、研究で最適と判定された値ではありません。

目標設計例(数値は仮定)

新しい業種へサービスを販売する担当者に、2週間の調査と提案改善を任せる場面を考えます。四半期の契約目標は残し、2週間で得る知識を具体化します。

設計する項目記載例
調べる疑問現在のサービスを変更しない理由は何か
調査する内容見込み顧客5社の検討経緯と導入を見送った理由
学習の成果物導入を妨げる理由の仮説3個と各仮説の根拠
次の判断根拠のある理由に対応する提案資料の修正案1個
実施上限調査期間2週間と投入時間10時間

5社の意見は、その5社から得た情報です。市場全体で同じ理由が最多だと断定せず、意見が一致した点、異なった点、まだ回答を得ていない疑問を残してください。

たとえば、価格が高いという当初の仮説に対し、聞き取りでは切り替え時の作業量への懸念が出たとします。そこで、値下げの前に導入手順や顧客側の作業を示す資料を試す、という判断が考えられます。この判断には、顧客の発言と担当者の推測を区別した記録が必要です。

学習した量と事業の結果を両方追う

学習の評価は、判断を変える根拠が得られたかで行います。読んだ資料や提出した仮説の数だけで評価すると、内容を検証する仕事が抜けます。仮説を否定する事実が見つかったことも、次の行動を変える材料です。

記録判断への使い方
事前の仮説と調査で得た事実仮説を残すか修正するか決める
提案資料の変更箇所と理由調査結果が実際の提案へ反映されたかを点検する
提案件数と契約件数提案から契約につながった結果を追う
投入時間と費用次の調査を続けるか決める

試行の後に契約が増えても、顧客の規模や時期が変わっていれば、学習目標だけの効果と断定できません。今回得た知識、変更した提案、観測した契約数を記録し、それぞれの意味を区別します。

進め方が定まった後は、その方法で達成する契約数や所要時間を次の目標として検討できます。一方で、予算不足や権限の不足が判明したなら、目標の文面だけで済ませず、上司が投入資源や担当範囲を変更する必要があります。

次の面談で学ぶべき疑問を一つ決める

未経験の仕事を任せる際は、目指す結果と併せて、担当者が何を知らず、その知識をどう得るかを話し合いましょう。学習目標を、調査する疑問、成果物、次の判断、時間と費用の上限を含む形にすると、仕事の進展を具体的に評価できます。

営業の調査からサービス説明を修正したら、確定した料金や導入手順をホームページにも反映してください。調査中の仮説と、顧客へ公開するサービス情報を区別して更新します。

SpreadSite は、Googleスプレッドシートで内容を管理し、テンプレートを使ってホームページを作成・公開・更新できるノーコードツールです。

営業で得た知識をサービス説明や導入案内へ反映するホームページの作成に、ぜひ使ってみてください!

SpreadSiteでホームページを作成する →

よくある質問

Q: 学習目標を置くと売上目標は不要になりますか?

A: 売上などの結果は継続して記録します。学習目標には、その結果を生むために解く疑問と、得た知識を使って変更する仕事を記載してください。

Q: 本を読む件数も学習目標になりますか?

A: 件数に加えて、仕事のどの疑問に答え、何を変更するかを明記します。読書量だけでは、仕事に使える知識が得られたかを評価できません。

Q: 経験者にも学習目標を設定しますか?

A: 新しい業種や進め方を任せる際は、経験者でも未知の部分を特定しましょう。経験年数だけで判断せず、今回の仕事に必要な知識と方法があるかで決めます。

Q: 学習期間中に結果が出なければ延長すべきですか?

A: 投入時間と費用、得られた事実、残った疑問を使って判断します。同じ調査の繰り返しで新しい情報が得られないなら、質問や調査方法を変更するか、試行を終了してください。

参考資料

スプレッドシートでホームページが作れるSpreadSite