想定読者
- やりたいことやアイデアは多いが、どれも形にならず、時間だけが過ぎていく個人事業主
- 頼まれると断れず「何でも屋」になってしまい、自分の専門性や強みが分からなくなっている方
- 売上も利益も伸び悩み、事業の方向性を根本から見直したいと考えている経営者
結論:「何をやるか」より「何をやらないか」。捨てる勇気こそが、あなたを成功に導く
もし、あなたが「時間がない」「儲からない」「とにかく忙しい」と感じているなら、その原因は、やることが多すぎることにあります。
ビジネスの成功は「何をやるか」で決まるのではありません。「何をやらないか」を決めることで決まります。特に、私たちのようなリソース(ヒト・モノ・カネ・時間)が限られたスモールビジネスにとって、「選択と集中」は、数ある戦略の一つではなく、生き残るための唯一の道と言っても過言ではありません。
この記事では、なぜ「あれもこれも」がダメなのか、そして、あなたのビジネスを飛躍させる「選択と集中」を、どう実践すれば良いのかを解説します。
なぜ「あれもこれも」は、失敗への最短ルートなのか?
リソースの分散:あなたの力は、あなたが思うよりずっと有限だ
一日は24時間しかなく、あなたの体力と集中力も無限ではありません。あれもこれもと手を出すことは、限られたエネルギーを薄く、広く、ばらまいているのと同じです。その結果、どの分野でも中途半端な成果しか出せず、「帯に短し、たすきに長し」という器用貧乏な状態に陥ります。
「何でも屋」は、誰からも記憶されない
「〇〇もできます、△△も得意です、□□もやります!」という「何でも屋」は、一見すると顧客に喜ばれそうですが、実際はその逆です。顧客の記憶に残りません。「何かあった時に、誰に頼めば良いか」が分からないからです。「パンが食べたければ、パン屋に行く」ように、顧客は専門家を探しています。
No.1になれない
どんなビジネスにも、特定の分野に特化した競合が存在します。あなたが片手間でやっていることを、競合は人生をかけてやっているかもしれません。そんな相手に、あなたが勝てる見込みはありますか?「選択と集中」を怠るということは、すべての分野で「2番手以下」のポジションを、自ら選んでいるのと同じなのです。
「やらないこと」を決める勇気
戦略とは「捨てること」と見つけたり
優れた戦略は、常にシンプルです。そして、そのシンプルさは「何をやるか」ではなく「何をやらないか」を明確に定義することから生まれます。「あれもこれも」という可能性を捨てる勇気を持つことで、初めて進むべき道筋が、くっきりと見えてくるのです。
機会損失の恐怖を乗り越える
「これをやめたら、あのお客様を失うかもしれない…」 「このチャンスを逃したら、二度と来ないかもしれない…」
「捨てる」ことには、常に「機会損失」の恐怖が伴います。しかし、本当に怖いのは、目の前の小さな機会に飛びついた結果、もっと大きな、本当に掴むべき機会を逃してしまうことです。集中することで得られる未来の大きなリターンを信じましょう。
「選択」と「集中」のための具体的な3ステップ
では、具体的にどうやって「選択」し、「集中」すれば良いのでしょうか。そのための3つのステップを紹介します。
ステップ1:自分の「強み」を知る(選択)
まずは、あなた(自社)が持つリソースを棚卸しし、戦うべき場所を「選択」します。
- 得意なこと・好きなこと: 他の人よりもうまくできること、やっていて苦にならないことは何ですか?
- 顧客に最も喜ばれたこと: 過去に、お客様から特に感謝された経験は何ですか?
- 情熱を注げること: 寝食を忘れて没頭できるほど、あなたが好きなことは何ですか?
これらの問いの答えが重なる部分に、あなたの本当の「強み」が隠されています。
ステップ2:最高の「顧客」を選ぶ(選択)
次に、その強みを、最も評価し、喜んでくれるのはどんな人かを考え、顧客を「選択」します。
- 誰の、どんな悩みを解決できるか?
- あなたの価値を、正当に評価してくれるのはどんな人か?
- あなたが「この人のために頑張りたい」と心から思えるのはどんな人か?
「すべての人」を相手にするのをやめ、「たった一人」の理想の顧客像を具体的に描きましょう。
ステップ3:それ以外を「捨てる」(集中)
最後に、ステップ1と2で選んだ「強み」と「顧客」以外のすべてを、勇気を持って「捨てる」と決め、「集中」します。
- 儲からない事業、手間ばかりかかる商品
- あなたの強みを活かせない仕事
- あなたの価値を理解してくれない顧客層
これらから撤退することで、あなたの貴重なリソースが、本当に大切な一点に集中投入できるようになります。
集中が、本物のブランドを育てる
「選択と集中」を実践すると、あなたのビジネスは劇的に変わります。
- 「〇〇といえば、あの人」というポジションが築ける: 専門家として認知され、指名で仕事が舞い込むようになります。
- サービスの質が向上する: 一つのことに集中するため、経験と知識が深く蓄積され、提供価値がどんどん高まります。
- 日々の業務がシンプルになる: やるべきことが明確になり、意思決定に迷いがなくなります。価格設定、情報発信、すべてがシンプルになります。
よくある質問
Q: 自分の「強み」が何なのか、分かりません。
A: 自分一人で考えていても、なかなか見つからないものです。信頼できる友人や、過去のお客様に「私の良いところって、何だと思う?」と直接聞いてみるのが一番の近道です。自分では当たり前だと思っていることが、他人から見れば、とてつもない強みであることは、本当によくあります。
Q: 顧客を絞ると、売上が減ってしまいそうで怖いです。
A: 短期的には、そうなる可能性もあります。しかし、絞り込んだ顧客に深く刺さるサービスを提供することで、顧客単価やリピート率は確実に上がります。結果的に、売上は以前より増え、利益率は劇的に改善するケースがほとんどです。広く浅く売るのではなく、狭く深く売ることを目指しましょう。
Q: 今ある事業や商品を「捨てる」という判断が、どうしてもできません。
A: 愛着があるとなおさら難しいですよね。そんな時は、「もし、今ゼロから事業を始めるとしたら、それでもこの事業(商品)をやるだろうか?」と自問してみてください。もし答えが「No」なら、それは「サンクコスト(埋没費用)」にとらわれているだけかもしれません。過去の投資ではなく、未来の可能性に目を向けましょう。
Q: 一度集中すると、もう他のことはできなくなりますか?
A: そんなことはありません。まずは一点集中で圧倒的なNo.1のポジションを築くのです。そこで得た収益と信頼を元に、次の新しい分野に挑戦するのは、非常に賢い戦略です。重要なのは、あれもこれも「同時に」やろうとしないことです。
筆者について
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