想定読者
- ToDoリストにタスクを詰め込みすぎて、結局何も終わらないまま一日を終えてしまう方
- どのタスクが重要なのか分からなくなり、目の前の簡単な作業ばかりに手をつけてしまう方
- 達成感を味わいながら、毎日を確実に前進させたいと考えているビジネスパーソン
結論:ToDoリストは「願望リスト」ではない。一日の「戦闘計画」である。
あなたは、一日の始まりに意気揚々とToDoリストを作成し、その日の終わりには、ほとんどチェックが入っていないリストを前に、自己嫌悪に陥っていませんか? もしそうなら、あなたに必要なのは、より多くのタスクを詰め込むことではありません。むしろ、意図的にタスクを「制限」することです。今回紹介する「1-3-5リスト」は、一日の有限性という厳しい現実を受け入れ、その中で最大の成果を出すための、極めて現実的で強力なタスク管理のフレームワーク。それは、あなたのToDoリストを「絶望リスト」から「確実な達成感リスト」へと変える力を持っています。
なぜ、あなたのToDoリストは「絶望リスト」に変わるのか?
そもそも、なぜ従来のToDoリストは機能しにくいのでしょうか。その最大の理由は、そこに「制限」がないからです。私たちは、自分のキャパシティを過大評価し、「あれもやらなきゃ」「これもやりたい」と、願望のままにタスクを無限に追加してしまいます。10個、20個と並んだタスクリストは、一見すると生産的に見えますが、その実態は、達成不可能な「願望リスト」に他なりません。
結果として、リストは消化されるどころか、急な差し込み業務などで増え続けていきます。そして一日の終わりに、未完了のタスクがずらりと並んだリストを眺め、「自分はなんてダメなんだ」という罪悪感と絶望感だけが残るのです。これでは、モチベーションが上がるはずもありません。
1-3-5リストとは?「やらないこと」を決める技術
「1-3-5リスト」のルールは、驚くほどシンプルです。それは、1日にやることは、合計9つのタスクだけと、あらかじめ決めてしまうこと。そして、その内訳にこそ、このルールの神髄があります。
- 1:大きなタスク その日、最も重要で、最も時間とエネルギーを要するタスクを1つだけ選びます。例えば、「企画書の骨子を作成する」「重要なクライアントへの提案」など、その日の成果を象徴するような仕事です。
- 3:中くらいのタスク 通常の業務レベルのタスクを3つ選びます。「〇〇会議の準備」「部下のレポートチェック」「経費精算」などがこれにあたります。
- 5:小さなタスク 数分で終わるような、ごく簡単なタスクを5つ選びます。「〇〇さんへのメール返信」「アポイントの日程調整」「デスクの片付け」などです。
このルールの本質は、意図的に「やらないこと」を決めるという点にあります。9つのスロットしかないと決めることで、あなたは「今日、本当に重要なことは何か?」を真剣に考えざるを得なくなります。それは、タスクに優先順位をつけ、自分のリソースを戦略的に配分するための、極めて強力な思考のトレーニングなのです。
1-3-5リストが、あなたを救う理由
このシンプルなリストが、なぜこれほどまでに効果的なのでしょうか。
一つ目の理由は、圧倒的な現実感にあります。1-3-5という具体的な数字は、多くの人にとって、一日に達成可能なタスク量として、非常に現実的なバランスを持っています。リストを作成した時点で、「これなら今日、全部できそうだ」というポジティブな見通しが立ち、行動への心理的なハードルが大きく下がります。
二つ目の理由は、戦略的な優先順位付けが、半ば強制的に行われることです。「大きなタスク」の枠が一つしかないため、あなたは必然的に、その日最も重要なことは何かを真剣に考えるようになります。緊急ではないが重要な仕事(第二領域のタスク)を、意識してこの「1」の枠に入れる習慣がつけば、あなたのキャリアは長期的に見て、大きく前進するはずです。
そして三つ目の理由が、確実な達成感を得られることです。従来のToDoリストでは味わえなかった、「リストの全ての項目を完了させる」という経験。たとえ小さなタスクが含まれていたとしても、9つの項目全てにチェックマークを付けた時、あなたは一日の終わりに大きな満足感と自信を得ることができます。このポジティブなフィードバックが、翌日のモチベーションに繋がり、継続の力となるのです。
1-3-5リストを使いこなすためのヒント
- タスクの規模感に慣れる: 何が「大」「中」「小」にあたるかは、あなたの仕事内容によって異なります。最初は、タスクの規模感を見誤るかもしれませんが、数日続ければ、自分なりの基準が見つかります。完璧を目指さず、まずは試してみることが重要です。
- 朝一番に作成する: 毎朝、仕事を始める前の10分間を「1-3-5リスト作成タイム」と決めましょう。その日やるべきことを俯瞰し、9つのスロットにタスクを割り振ることで、一日の見通しがクリアになります。
- 柔軟に運用する: 計画はあくまで計画です。急な差し込み業務が入ったら、既存のタスク、特に「中」や「小」のタスクと入れ替えるなど、柔軟に対応しましょう。ルールに縛られすぎず、自分を助けるためのツールとして活用してください。
- デジタルでもアナログでもOK: 手帳に毎日書き出す、付箋に書いてPCに貼る、TrelloやTodoistのようなタスク管理アプリでテンプレートを作るなど、自分が最も管理しやすく、見ていて気分が上がる方法で実践するのが、継続のコツです。
よくある質問
Q: 9つ以上のタスクをこなさなければならない日は、どうすればいいですか?
A: まず、本当にその全てを「今日」やる必要があるのか、一度疑ってみましょう。その上で、どうしても必要な場合は、関連する小さなタスクをまとめて「中タスク」として扱ったり、ルールを少し拡張して「1-4-6」のように調整したりするのも良いでしょう。ただし、それが常態化するなら、仕事の抱えすぎかもしれません。
Q: 「大きなタスク」が1つもない日は、どう書けばいいですか?
A: そういう日もあるでしょう。その場合は、無理に「大」のタスクを作る必要はありません。「中」のタスクを4つか5つに増やすなど、柔軟に考えましょう。あるいは、普段なかなかできない「将来のための勉強」や「業務の改善案を考える」といった、緊急ではないが重要な活動を、あえて「大」のタスクとして設定する絶好の機会です。
Q: タスクの大きさを判断するのが難しいです。
A: 目安として、大きなタスクは2〜4時間、中くらいのタスクは30分〜1時間、小さなタスクは15分以内で完了するもの、と考えてみてください。これも、実践しながら自分なりの基準を調整していくのが一番です。
Q: 1-3-5リストとGTD(Getting Things Done)は、どう違うのですか?
A: GTDは、「頭の中にある気になること」を全て書き出して、脳のメモリを解放し、体系的に整理・実行していく、より包括的なシステムです。一方、1-3-5リストは、その日の実行計画に特化した、よりシンプルで即効性のあるテクニックです。GTDで収集・整理したタスクの中から、今日の「1-3-5」を選ぶ、という形で組み合わせると、非常に強力なシステムになります。
筆者について
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