こんな人におすすめの記事です
- 自分の事業やサービスを短時間で魅力的に伝えたい経営者、起業家
- 営業先や交流会で、もっと成果を上げたいと考えているビジネスパーソン
- 資金調達やビジネスコンテストを控えているスタートアップ関係者
- 自分のアイデアや企画を上司やチームに的確に伝えたい方
結論:最強のピッチは「型」と「熱量」でできている
「あなたの会社、何をやっているの?」
交流会や商談の場でこう問われた時、あなたは何と答えますか。ダラダラと要領を得ない説明を続け、相手を退屈させてはいないでしょうか。ビジネスにおけるチャンスの神様は、驚くほどせっかちです。
結論から言います。相手の心を30秒で掴むエレベーターピッチは、課題・解決策・独自性・次のステップという明確な「型」に、あなたの「熱量」を乗せることで完成します。これは才能ではなく、訓練で誰でも習得できるスキルです。
この記事では、そのための具体的な方法論と実践的な訓練法を余すところなく解説します。この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って30秒で事業を語れるようになっているはずです。
なぜ「30秒」が運命を分けるのか
そもそも、なぜエレベーターピッチは30秒なのでしょうか。それは、現代人が極端に忙しく、集中力が続かないからです。あなたが話す相手が、尊敬する経営者や投資家であればなおさらです。彼らの時間は非常に貴重であり、最初の30秒で興味を引けなければ、次のチャンスは永遠に訪れません。
ピッチの目的はすべてを説明することではありません。目的はただ一つ、相手にもっと話を聞きたいと思わせることです。30秒は、そのための招待状を手渡す時間に他なりません。
心を動かすピッチの4大構成要素
優れたピッチは、即興のアドリブでは生まれません。計算され尽くした構成に沿って作られています。それが以下の4つの要素です。
1. 課題:聞き手を「自分ごと化」させる
最初に語るべきは、あなたが解決しようとしている課題です。それも、聞き手が思わず「あ、それ分かる」「確かに問題だ」と共感できるような、具体的で切実な課題を提示します。
- 悪い例:「我々は最先端のAI技術で業務効率化を支援します」
- 良い例:「多くの中小企業が、未だに請求書処理に毎月10時間以上も費やしています。これは大きな人材の無駄遣いだと思いませんか?」
2. 解決策:シンプルかつ明快に
共感できる課題を示したら、次にその解決策を提示します。ここで重要なのは、専門用語を避け、誰にでも理解できるシンプルな言葉で語ることです。
- 悪い例:「ディープラーニングを活用したOCRとRPAの連携で、請求書の自動処理を実現します」
- 良い例:「私たちは、スマホで請求書を撮るだけで、面倒な入力作業が一切不要になるサービスを提供しています」
3. 独自性:なぜ「あなた」なのか
世の中には似たようなサービスが溢れています。その中で、なぜあなたのサービスが選ばれるべきなのか。競合にはない独自性や優位性を一点突破で示しましょう。実績や具体的な数字を伝えられると、信頼性は飛躍的に高まります。
- 悪い例:「我々のサービスは安くて高機能です」
- 良い例:「私たちは業界で唯一、手書きの領収書も99%の精度で読み取れる技術を持っています。すでに導入企業は500社を突破しました」
4. 次のステップ:相手に行動を促す
最後に、相手に次に何をしてほしいのかを明確に伝えます。ピッチは、相手に興味を持ってもらって終わりではありません。具体的なアクションに繋げてこそ意味があります。
- 悪い例:「ご興味があれば、よろしくお願いします」
- 良い例:「もしご興味があれば、来週5分だけお時間をいただき、実際のデモをお見せできませんでしょうか?」
最強ピッチを磨き上げる実践的訓練法
構成要素を理解したら、あとは実践あるのみです。以下のステップで、あなただけの最強ピッチを磨き上げましょう。
ステップ1:まず全て書き出す
時間を気にせず、4つの構成要素に沿って、伝えたいことを全て書き出します。ここでは完璧を目指す必要はありません。素材を出し切ることが目的です。
ステップ2:30秒に削ぎ落とす
書き出した素材を、ストップウォッチを片手に30秒で収まるように削ぎ落としていきます。専門用語、余計な形容詞、なくても伝わる部分は容赦なくカットします。完璧な60秒より、魂のこもった30秒を目指しましょう。
ステップ3:録音して客観的に聞く
自分のピッチをスマホで録音し、何度も聞き返します。話すスピードは適切か、熱意は伝わるか、分かりにくい部分はないか。他人のピッチを聞くような客観的な視点で、改善点を探します。
ステップ4:他人に聞かせる
これが最も重要です。完成したピッチを、家族や同僚、メンターなど、事業を全く知らない人に聞いてもらいましょう。そして「何をやっている会社か分かった?」「もっと話を聞きたいと思った?」と正直なフィードバックをもらうのです。自分では気づけなかった問題点が必ず見つかります。
よくある質問
Q: 30秒ではとても伝えきれません
A: それは全てを伝えようとしているからです。ピッチの目的は、詳細な説明ではなく興味喚起です。最も伝えたい核心部分だけを残し、あとは削る勇気を持ちましょう。「続きはWebで」ならぬ「続きは次のアポで」という意識が重要です。
Q: まだ実績がない場合はどうすれば?
A: チームの強みを語りましょう。例えば「Google出身のエンジニアと、元トップ営業マンのチームです」といった、人の魅力で信頼性を補完します。あるいは、なぜこの事業を始めたのかという、あなたの原体験や情熱を語るのも有効です。
Q: BtoBの複雑なサービスでも有効ですか?
A: もちろんです。むしろ複雑なサービスほど、その本質的な価値を30秒で語る訓練は重要になります。業界の専門用語を、中学生でも分かる言葉に翻訳するくらいの気持ちで、シンプルさを追求してみてください。
Q: 緊張してうまく話せません
A: 練習量だけが自信を生みます。鏡の前で、お風呂の中で、歩きながら、ブツブツと何度も唱えましょう。暗記したセリフを話すのではなく、自分の言葉として完全に血肉化するまで繰り返せば、緊張は自然と熱量に変わります。
筆者について
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